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映画『残穢』がほかのホラー映画と違う理由

——静かに忍び寄る恐怖、その深さにあなたもきっと引き込まれる

 「ホラー映画」と聞いて、どんなものを想像しますか?大きな音や突然の叫び声、血が飛び散るシーン…。たしかに、そういった“驚かせる”タイプの映画が多いですよね。でも、今回ご紹介する映画『残穢(ざんえ)―住んではいけない部屋―』は、そのようなホラーとはまったく違います。

 派手な演出やお化けの登場ではなく、静かに、じわじわと心に染み込むような怖さ。それこそが『残穢』の最大の魅力です。この記事では、そんな『残穢』が他のホラー映画とどのように違うのか、そしてなぜ多くの人の心に残るのかを、わかりやすく解説します。


他のホラーと違う点1:音や映像で驚かせない

 まず、多くのホラー映画では「ドン!」という音や、いきなり出てくる幽霊で視聴者をびっくりさせます。これを“ジャンプスケア”と呼びますが、『残穢』にはそれがほとんどありません。

 そのかわりに使われるのは「静けさ」。そして「違和感」。何も起こっていないように見えるのに、背中がぞくっとする。そんな場面がいくつもあります。観ているうちに、「あれ?なんか変だな…」と不安になり、いつのまにか恐怖に包まれている。そんな感覚を味わえるんです。


他のホラーと違う点2:心の奥に刺さる“怖さ”

 『残穢』の怖さは、一時的なものではありません。映画を観終わっても、ふとした瞬間に思い出してしまうような、心に残る怖さがあります。

 なぜかというと、この映画では「土地に染みついた過去」や「家に残る穢れ(けがれ)」がテーマになっているからです。つまり、「幽霊が出たから怖い」という話ではなく、「そこにある何かがおかしい。ずっと昔から続いている」という根深い恐怖を描いているのです。

 これが観る人の心にズシンと響き、何年たっても忘れられない作品になる理由なのです。


他のホラーと違う点3:ミステリーのような展開

 『残穢』はホラー映画でありながら、ミステリーのように物語が進んでいきます。主人公の「私」と女子大生・久保さんが、ある部屋で起こる奇妙な出来事をきっかけに、過去の出来事をたどっていきます。

 過去に起こった事件や事故、住人たちの運命が少しずつつながっていく様子は、まるで謎解きのよう。観ている側も一緒になって調査をしている気分になります。そして、その調査の先にある「ある真実」にたどり着いたとき、背筋が凍るような感覚に襲われるのです。


他のホラーと違う点4:リアルな“怖さ”がある

 『残穢』の恐怖は、決して「ありえない話」ではありません。現実に起こっていてもおかしくないような出来事が描かれているからこそ、観ている私たちの生活にも重ねてしまいます。

 たとえば、今住んでいる家の前の住人にどんなことがあったのかなんて、ふだんは気にしませんよね。でもこの映画を観ると、「もしこの部屋にも何かがあったら…?」と考えてしまうようになります。何気ない生活の中にひそむ“不安”。それがこの作品のリアルな怖さです。


感想:静かだけど、確実に怖い

 正直に言うと、最初は「ホラー映画なのに、ぜんぜん幽霊出てこないじゃん」と思いました。でも、気づいたら手が冷たくなっていて、夜にトイレへ行くのが怖くなっていました。

 派手な演出がない分、頭の中で勝手に怖い想像をしてしまうんです。だからこそ、ただの映画以上に、自分の中で“体験した恐怖”になるんだと思います。

 「音や映像で脅かすだけのホラー映画には飽きた」という人にこそ、『残穢』をおすすめしたいです。恐怖の本質を突きつけてくるこの作品は、まさに“静かな凶器”です。


まとめ:『残穢』は“心に残るホラー”だった

 映画『残穢』は、他のホラー映画とは一線を画す作品です。派手さはありません。でもその分、観終わったあともずっと心に残り、ふとした瞬間に思い出してしまう…。そんな、記憶に残る“静かな恐怖”を体験できます。

 もしあなたが「ただびっくりするだけのホラーはもういい」と思っているなら、『残穢』は必ず新しい発見を与えてくれるはずです。ぜひ、一度観てみてください。あなたの中の“怖い”の定義が、変わるかもしれません。