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【徹底解説】生成AIでわいせつ画像を作ったら罪になる?

生成AIで作ったわいせつな画像を販売していた男女4人が逮捕されたというニュースが2025年4月15日に報じられました。

「AIで作った画像なのに逮捕された!」というニュースを見て驚いた方も多いのではないでしょうか。

生成AIの進化は私たちの創作活動を大きく広げてくれる一方で、法律やモラルの境界線をあいまいにする危うさも持っています。

特に注目されているのが、「AIでわいせつな画像を作成・配布した場合、どのような罪に問われるのか?」という点。
この記事では、最新の逮捕事例をもとに、法律の視点から構造的にわかりやすく解説していきます。


🔍この記事の対象読者

  • 生成AIを使って創作をしているクリエイター

  • AI画像を販売・共有している人

  • 法律とAIの関係に興味がある一般ユーザー

  • AI画像に関するニュースを見て不安になった方


📰実際に起きた逮捕事例とは?

2025年4月、ある男女4人が「AIで作成した女性のわいせつ画像をポスターにして販売」したとして、わいせつ物頒布の疑いで逮捕されました。作成された画像はリアルな裸婦で、明確に性器などが描写されていたと報じられています。

「AIが作ったのに、なぜ罪に問われるの?」
「実在の人間じゃないならセーフじゃないの?」
そんな疑問を抱いた方もいるでしょう。ここからは法律の視点で解説していきます。


⚖️わいせつ物頒布等の罪とは?【刑法175条】

まず注目すべきは刑法第175条です。

この法律では、
「わいせつな文書、図画、映像などを頒布・販売・公然陳列した者は刑罰に処す」
と定められています。

ポイントは「わいせつな表現そのものが対象であり、実在・架空を問わない」という点です。
つまり、AIが生成したものであっても、社会通念上“わいせつ”とされる表現であれば処罰対象になります。


🧠「わいせつ」の定義とは?どう判断されるの?

では、どこからが“わいせつ”なのか。その線引きは以下の3つの基準で判断されます(判例より):

  1. 性的刺激を過度に与えるか

  2. 性的羞恥心を害するか

  3. 善良な性的道義観念に反するか

これらの視点で、AI画像であっても「リアルで明確な性描写」があれば、わいせつ物として判断される可能性が高くなります。


🧩「AIだからセーフ」は通用しない

生成AIを使えば、実在しない女性の裸体架空のキャラクターのわいせつ画像も簡単に作れてしまいます。
しかし、それを販売・共有・公然とネットに公開した時点で罪に問われる可能性があるのです。

特に今回の事例では「ポスターにして販売」「ネット上で流通させた」という点が大きな要因となったと思われます。


🚨そのほかに問われうる罪とは?

AIでわいせつ画像を作成・頒布した場合、以下のような罪にも該当する可能性があります。

  • 児童ポルノ禁止法違反(AI画像でも児童を想起させる描写がある場合)

  • 著作権侵害(既存の作品のキャラを無断でわいせつに描写した場合)

  • 名誉毀損(実在の人物に似せてわいせつ画像を作った場合)

AIで作ったとはいえ、使い方次第で複数の罪に問われるリスクがあるということです。


💬倫理的にも注意が必要

たとえ「法的にギリギリセーフ」だとしても、

  • 被写体に類似した実在人物がいた場合の人権侵害

  • 社会全体の倫理観を損なうリスク
    など、モラルの問題も大きく問われます。

特に商用利用やSNSでの拡散は、意図せぬ炎上や批判にもつながるため、慎重に扱うべきです。


✅まとめ:生成AIとわいせつ画像の法的リスク

🔻要点をおさらいすると…

  • AIであっても「わいせつ物」と判断されれば処罰対象

  • 実在・架空にかかわらず、刑法175条は適用される

  • 販売・公開・共有があると「頒布行為」とされる

  • その他の法律(児童ポルノ著作権名誉毀損)にも注意

  • 倫理面でも慎重な判断が求められる


📌AI時代の表現と法のバランスを考える

生成AIがクリエイティブを支える強力なツールであることは間違いありません。
しかし、それを使う私たち人間には、法律と倫理の両方に責任を持つ必要があります。

「作れるから、やっていい」ではなく、
「作る前に、考える」ことが、今後ますます求められていくでしょう。